競艇予想の仕方を徹底解説|データ分析と勝率アップのコツ
競艇(ボートレース)の予想は「イン(1コース)有利」の前提を押さえつつ、選手の実力やモーター性能、そして水面コンディションやスタート展開を読み取ることが肝心です。
本記事では、初心者がつまずきがちな予想のポイントをデータとともに解説し、舟券の買い方や回収率向上のコツまで網羅します。
予想に必要な視点を理解すれば、イン逃げの鉄板レースから荒れる穴レースまで状況に応じた戦略が立てられるでしょう。
結論・要点まとめ(先出し)
早速、競艇予想の仕方について1つ1つポイントを解説していきますが「そんなめんどくさい解説はいらない」という方に向けて簡単に要点をまとめました。
本記事を最後まで読むのがまどろっこしいという方は以下の内容を頭に叩き込んで、参考にしてみて下さい。
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1コース(インコース)が圧倒的有利
競艇は1号艇=1コースが基本で、全国平均で半数以上が1コースの艇(イン逃げ)で勝ちます。
ただし水面やレースによっては例外もあり。 -
予想の核心は4要素
「選手の実力」「モーターの性能」「コースの特徴」「レースの展開予測」です。
各要素のバランスを分析し、本命・穴を見極めます。 -
選手データを読む
級別(A1〜B2)や勝率で実力を判断。
平均ST(スタートタイミング)やF持ち(フライング持ち)はスタート攻勢の度合いを左右します。
上位級+高勝率+良機力なら信頼度大。 -
モーター(機力)分析
モーター2連対率(そのモーターで1〜2着に入った率)や直前の展示タイムでエンジンの強弱を掴みます。
勝率4割超のエース機は要注目で、低調機は割引材料。 -
水面・気象条件の読み
風向き・強さや潮の満ち引きで有利コースが変動します。
穏やかな水面ならイン有利が鉄板、強風や荒波ではアウトコースのまくり一発も。江戸川など難水面は特に注意。 -
舟券戦略と資金配分
賭け式ごとの難易度と払い戻しを把握。
買い目点数を増やしすぎると的中率は上がりますがトリガミ(払い戻しが投資額を下回る事態)に注意。
購入点数に応じて必要オッズ=点数倍を目安に堅実投票を心がけます。
以上が競艇で予想をする仕方の簡単なまとめになります。
上記は簡潔なまとめとなるので、詳細な予想方法を知りたい方はこれから先の情報を読み進めて下さい!
競艇予想の基本:インコース有利とデータ予想の重要性
競艇(ボートレース)の予想では、まず「インコース(1コース)が有利」という競技特性を理解することが出発点です。
6艇が並んでスタートする競艇では、最も内側を走れる1号艇(=基本的に1コース進入)が地形的ハンデの少ない有利な位置になります。
そのため全レースを平均すると1コース艇の1着率は50~55%超にも達します。
つまり、単純計算で半分以上のレースは「イン逃げ」で決まるのです。
しかし「絶対に1号艇が勝つ」というわけではありません。
残り約半数のレースではイン以外が勝つケースもあり、それを的確に当てるにはデータと展開の読みが欠かせません。
「競艇予想は難しい」と言われるゆえんは、イン有利を踏まえつつ例外を見抜く洞察が必要だからです。そこで役立つのが以下のポイントです。
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データ予想の重要性
勘やオッズの人気に頼るだけでは長期的な回収率向上は難しいです。
選手の実力指標やモーターの数値、過去のコース別傾向などの一次データを活用して
客観的に有利不利を判断しましょう。
公式発表されているデータ(出走表や場ごとの統計)は信頼性が高く、予想の土台になります。 -
判断基準を持つ
自分なりの判断基準を用意しましょう。
例えば「当地勝率◯以上のA級選手ならイン信頼」
「モーター2連対率▲%未満なら思い切って切る」などです。
これにより予想に一貫性が生まれ、ぶれない舟券戦略が立てられます。 -
トータルのバランス
競艇予想では複数要素の総合判断が重要です。
強い選手・強いモーター・有利なコース条件が揃えば鉄板級ですが、
一方でも欠ければ波乱の目も出ます。
イン有利といえど、例えば1号艇が新人B2級だったりモーター性能が悪かったりすれば
取りこぼすリスクがあります。
データを総合して「どの艇が何%くらい勝ちそうか」イメージできるとベストです。
以上を踏まえて、本題の競艇予想の仕方を具体的に解説していきます。
次章から、予想の際に必ずチェックしたい「4つの要素」(コース・選手・モーター・展開)について順に見ていきましょう。
競艇予想で見るべき4つの要素
競艇の予想には様々な要素がありますが、整理すると大きく「コース」「選手」「モーター」「展開」の4つに分類できます。
この章ではそれぞれのポイントを詳しく解説します。
まずは下表に主な要素と概要をまとめました。
| 要素 | チェックする主なポイント | 補足説明・意味合い |
|---|---|---|
| コース(枠番) | コース別1着率・決まり手傾向、 レース場の水面特徴 |
1コース有利度合いは場や条件で変化。 当地データや季節風・潮汐も考慮。 |
| 選手 | 級別(A1〜B2)、勝率・連対率、 平均ST、F/L持ち |
級・勝率で総合力を評価。 スタート平均やF(フライング)歴で 攻めやすさを見る。 |
| モーター | モーター2連対率、前節成績、 展示タイム、交換部品情報 |
エンジン性能差は着順に直結。 高2連対率=エース機、低いと機力劣勢の可能性。 |
| 展開 | 進入コース(スロー/ダッシュ)、 各艇のスタート力、決まり手予測 |
スタート順序や1マークでの攻防を予測。 まくりが決まるか差しか、展開次第で波乱も。 |
では各項目ごとに、予想への活かし方を具体的に見ていきましょう。
1)コース・水面:イン有利の仕組みとレース場の特徴
「コース」とは主に艇の進入順(1〜6コース)による有利不利を指します。
基本は内側有利ですが、その度合いはレース場の水面コンディションによっても異なります。
まず全国平均のコース別1着率を把握しておきましょう。
| コース | 全国平均の1着率(参考) | イン有利度 |
|---|---|---|
| 1コース | 約53〜56%程度 | ★★★★★ (圧倒的) |
| 2コース | 約15%前後 | ★★☆☆☆ (インの次) |
| 3コース | 約12%前後 | ★★☆☆☆ |
| 4コース | 約10%前後 | ★★☆☆☆ |
| 5コース | 約5〜6%前後 | ★☆☆☆☆ |
| 6コース | 約2%前後 | ☆☆☆☆☆ (厳しい) |
1コースの強さが一目瞭然です。
例えば公式サイトでも「1コースの勝率は50%を超えます」と初心者向けに明言されています。
1号艇がほぼ自動的に1コースを獲得する競技特性上、イン逃げが定石になるわけです。
※補足:「枠番」と「コース」の違い… 枠番は艇の番号(1〜6号艇)で、コースは実際に進入した順番(1〜6コース)。基本的に枠番=進入コースですが、稀に作戦で動く選手がいると入れ替わることがあります。ただし1号艇は98%以上の高確率で1コース進入です。
各競艇場ごとの特徴も重要です。
全国24場にはそれぞれ水質(海水か淡水か)やコース幅・水面の広さ、風向き・潮位変化など固有の条件があり、イン有利度に違いが出ます。
例えば・・・。
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イン最強の水面:大村(長崎)は全国屈指のイン有利で、1コース1着率が60〜65%台にも達します。
湾内の穏やかな水面で波風の影響が小さく、アウトがまくる余地が少ないためです。 -
魔の難水面:戸田(埼玉)や江戸川(東京)は1コース勝率が45%前後と低めで、
他コースにもチャンスがあります。
戸田はコース幅が狭く4コース角の攻撃が決まりやすいこと、江戸川は日本唯一の河川コースで
風と潮の影響が大きく、水面が荒れやすいことが要因です。
インが流れれば一気に波乱となり、6コースの大穴も飛び出します。
| 競艇場(所在地) | 1コース1着率(目安) | 水面特徴・傾向 |
|---|---|---|
| 大村(長崎) | 約65%前後 | 海水、ほぼ干満差なし。全国でもっともイン逃げ決着が多い安定水面。 |
| 徳山(山口) | 約60%前後 | 海水、湾奥で静水面。イン有利顕著で大穴は出にくい傾向。 |
| 戸田(埼玉) | 約45%前後 | 淡水、コース幅が狭い特殊水面。4カドまくりが決まりやすく、波乱含み。 |
| 江戸川(東京) | 約45%前後 | 河川コース(淡水・潮位あり)。風と波がレースを左右する日本一難しい水面。 |
| びわこ(滋賀) | 約50%前後 | 淡水、日本一広い水面だが強風多発。冬場は荒波でアウトコース台頭も。 |
上記は一例ですが、「イン何%」の数値で場の癖を把握しつつ、さらに季節や天候も考慮しましょう。
同じ場でも季節風の強さや昼夜の気温差で微妙に傾向が変化します(ナイターレースは日中よりイン優位になりやすいとの声もあります)。
予想時には開催地の当日の風速・風向き、潮汐情報を確認すると◎です。
強い向かい風だとスタートが難しくなりまくり決着が増える、追い風だとイン先マイ(先頭で1マーク旋回)が有利になる、といったセオリーがあります。
2)選手:級別・スタート力・勝率など実力判断
次に「選手」の要素です。
競艇は選手ごとの力量差が明確に成績に表れます。
ここでは出走表や選手データから読み取るポイントを挙げます。
① 級別・勝率で見る総合力:競艇選手は半年ごとに成績でA1・A2・B1・B2のクラスに分けられます(A1がトップ6%、B2が下位)。
勝率(簡単に言えば平均得点率)も併せて参考にすると、その選手の強さが一目瞭然です。
A1級で勝率8点台以上ともなればエース級と言える存在で、基本的な技術・メンタルが安定しておりどのコースからでも連に絡む力があります。
逆にB級は実力劣る新人や低調選手なので、1号艇でも信頼度が下がるケースがあります。
② 2連対率・連続立着:選手データには「2連対率」「3連対率」といった数字も載っています。
これは出走数に対する2着以内(または3着以内)に入った割合で、安定感や着順キープ力の指標です。
勝率と似た傾向を示しますが、SG常連などになるとトライアル形式の順位戦も多くなるため、2連率の方がより純粋に強さを物語る場合もあります。
例えば峰竜太選手などトップ級は2連対率が50%超えと驚異的な数字を残します。
③ 平均STとスタート巧者か:平均STとはその選手の平均スタートタイミング(秒)です。
スタートは0.01秒を争うシビアな駆け引きで、感覚的に0.15秒を切れば一流、0.10秒台前半なら超抜の早さと言われます。
平均STが小さい=普段から攻めたスタートを決める選手であり、特にダッシュ戦(4〜6コース)では大きな武器です。
逆に平均STが遅い選手はスタート控えめで、インでもスタート遅れれば他艇にまくられる危険があります。
※スタート関連の注記:F数(フライング回数)やL数(出遅れ回数)も要チェックです。
過去にフライング(スタート事故)を起こすとペナルティが課せられ、以降一定期間スタートが慎重になりがちです。
「F持ち(現在フライング休み消化中の身)」の選手はスタートで攻めきれず凡走するケースも多く、予想では減点材料と考えられます。
一方、オッズ妙味を狙うなら「F持ちだが実力上位で人気落ち」選手の相手付けなど戦略もあります。
④ 地元・当地成績:競艇は水面適性もあり、選手によって得意な水面・季節があります。
出走表に当地勝率や当地優勝実績が記載されていれば要注目です。
地元支部の選手は地の利があり気象傾向も熟知しているため、本来実力以上に走ることもあります。
以上を踏まえて、出走表データの見方を簡単な表に整理します。
| 出走表の主なデータ項目 | 内容・予想への活かし方 |
|---|---|
| 級別 (A1/A2/B1/B2) | 半年成績によるランク。A1はトップクラスで信頼度高、B級は格下。混合戦ではA級を基本上位評価。 |
| 勝率・2連対率 | 過去一定期間の成績指標。数字が高いほど実力・安定感あり。勝率7.00以上はエース級、5.00前後で中堅、3点台以下は凡庸。 |
| 平均ST (Avg. Start Timing) | スタートの速さの平均値(秒)。0.15を切れば俊足。平均STが他より0.05以上遅いとスタート劣勢になりやすい。 |
| F/L持ち | 直近のフライング(F)や出遅れ(L)の有無・回数。持っているとスタート慎重傾向。F2(フライング2本持ち)はスタート大幅減速も。 |
| 当地勝率・優出実績等 | 開催場での成績。地元エースは当地勝率が全国より高い場合も。当地実績豊富な選手はコース不問で要注意。 |
| 選手コメント | 当日の気配や意気込み。スタートに関する弱気/強気コメント、機力評価などが書かれており、直前情報として参考になる。 |
3)モーター:2連対率に見る機力差
「モーター(機力)」も競艇予想の要です。
同じ型式のエンジンを使用するとはいえ、個体差や整備状況によってパワーに優劣があります。
レースでは機力上位の艇が押し切ったり、逆に弱いモーターは伸び負けしたりと結果を大きく左右します。
① モーター2連対率:各モーター(エンジン)には2連対率という指標が付与されています。
これはそのモーターが使われた全レースで1着または2着に入った割合です。
数字が高いほど「当たりエンジン」である可能性が高く、逆に低ければ「ハズレエンジン」の疑いがあります。
目安として2連対率が40%以上あればエース級、20%台以下は低調機です。
強力モーターを手に入れた選手は実力以上の走りを見せることも多く、節間を通して活躍しやすいです。
② 前節成績:そのモーターを前回使用した選手の成績(何号艇で何着が多かったか、優出したか等)も参考になります。
例えば直前節でエンジン出ていた=伸び足◎なら、今回も引き続き好パワーが見込めます。
ただし整備力や相性もあるため、前節A1が乗って優勝したモーターでも、今回B級選手がうまく扱えず凡機になるケースもゼロではありません。
③ 展示タイム:レース直前の「展示航走」で測定される展示タイム(直線タイム)は、機力判断の貴重な生データです。
6艇が単走で150m直線を走ったタイムで、これが出ている艇は伸び足良好と見ます。
ただし「キャブレター調整で一時的に展示だけ出す」ようなテクニックもあり、展示タイム1番=実戦でも必ず伸びるとは限りません。
とはいえ目安にはなるので、上位2位のタイムは押さえておきましょう。
④ 部品交換・ペラ調整:前検日やレース間日にプロペラ交換・調整やギヤケース等の部品交換を行う場合があります。
これら情報は当日朝のリポート等で公表されます。
大掛かりな交換をしたモーターは一変して良くなることもありますし、逆に調整が迷走している兆しかもしれません。
プロペラに関しては現在は統一プロペラ制度で選手の手による削り出しはできず、回転調整のみですが、それでも腕の差は出ます。
ベテラン整備巧者のコメントは要チェックです。
以上を踏まえ、モーターに関して「出走表から読める情報」をまとめると・・・。
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モーターNo.と2連対率
例えば「モーター67号機 2連対率45%」ならかなりの優秀機。
逆に「2連対率18%」などは不調機の可能性大。
2連対率は開催ごと(通常半年~1年使用)に徐々に収束する傾向があり、極端に良い悪いは見逃さない。 -
使用開始時期
エンジンは通常、10月や翌年4月などに一斉入れ替え(新モーター)があります。
交換直後はまだ傾向が掴めず荒れることも。
ある程度経過しデータが出揃ってきたら信頼度アップです。 -
節間の上積み
モーターは連続使用で底上げされるケースがあります。
シリーズ中にだんだん出足が良くなっている選手がいれば要注目。
「乗り手が合った」と表現され、最後にはエース機並みの動きを見せることも。
4)展開予想:スタート隊形と決まり手を読む
最後に「展開」です。
展開とはレースの流れ・攻防の形のことで、予想するには少し上級な要素ですがとても重要です。
同じメンバー・枠順でも、スタートの並び方ひとつで結果がガラッと変わるためです。
展開予想で考慮すべきポイントを挙げます。
① 進入コース(スロー vs ダッシュ):基本的に1〜3号艇がイン側スロー進入、4〜6号艇が外側ダッシュ進入となります。
ただ、時折4号艇以降が前付け(内側へ割り込む動き)して深インになることもあります。
この進入コース取りがそのままスタート隊形の布陣となり、「どの艇が起こし位置で有利か」を左右します。
一般にスロー(内側)の艇は助走距離が短いため伸びで不利、ダッシュ(外側)は助走距離を十分に取れるため加速がつき伸びやすいです。
例えばインが深くなればある程度アウト勢にも付け入る隙が生じます。
② スタート力の比較:前述の平均STやスタート勘を踏まえ、「このレースでは誰が先行しそうか」を予想します。
横一線のスタートになればコース優位順に1→2→3…の隊形で1M(第1ターンマーク)に突っ込むので逃げ決着濃厚です。
一方、例えば4コースの選手が0台スタートで飛び出すような展開になると、4コースまくり炸裂の可能性があります。
3コースの動向も鍵で、3コースが攻めるときはまくり差しに構えるなど、各艇のセオリーもあります。
③ 決まり手パターン:競艇の勝ち方(決まり手)には「逃げ」「まくり」「差し」「まくり差し」「抜き」「恵まれ」の6種があります。
展開予想では「どの決まり手になりそうか」をイメージします。大まかなパターンとしては:
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逃げ:1コースが先マイしてトップを譲らず押し切る。基本形です。
これが決まるには他艇より先に1Mに到達し、そのままターンで流れないことが条件。
相手(2着)には順走の2号艇か差してきた艇が残る形が多い。 -
まくり:主に4コース(まれに3コースも)からのダッシュ一撃。
トップスタートを決めた外枠艇が内艇を外から飲み込んで旋回する攻撃です。
決まるときは1コースを含め内側勢は全滅し、(4→)5→6コースで上位独占なんて波乱も。
追い風より向かい風で決まりやすい傾向。 -
差し:内側艇が先に回った背後を狙って内側から抜け出す戦法です。
典型は2コース差しで、1が少しでも膨らめばスッと内を突いて頭を奪います。
3コースの差しもあり得ますが、2コースが壁になると難しいです。
差しが決まるには、イン艇が無理に先行してターン膨らんだ場合などです。 -
まくり差し:これはまくりに行った艇が途中で差しに切り替える高度なテクニックです。
3コースがまくり差しを狙うケースが多いです。
例:4コースがまくって1と競った隙に、3コースが内側を差し抜けて1着…といった展開です。 -
抜き:これは一度他艇が先頭に立った後、レース中盤以降で逆転して勝つこと。
道中の2周目以降での追い抜きなので展開予想では読みにくく、機力やターンの巧拙が影響します。 -
恵まれ:他艇がフライングや転覆失格で繰り上がり1着になるケースです。
これは予想のしようがありません(アクシデントなので)。
通常、1コースの勝ちパターンは9割以上「逃げ」です。
2コースが勝つときは「差し」が大半、4コースは「まくり」が多い…など各コースごとに典型パターンがあります。
各場のデータにも「コース別決まり手」が載っており、例えば1コース1着の決まり手の95%以上が逃げだったりします。
このあたりもデータとして頭に入れておくと、「今回は1号艇スタート遅れそうだから差されるかも?」などシミュレーションがしやすくなります。
④ 壁になる・ならない:展開を占うキーワードに「壁になる」という表現があります。
これはインの外(2コースや3コース)がきちんとスタートについて行き、まくりに来る外艇をブロックする役割を指します。
例えば2コース・3コースが遅れずスタートしていれば、4コースが強引にまくろうとしても内の壁にぶつかり失速します。
逆に2・3コースが凹む(遅れる)と外のまくり放題で、一気に波乱含みです。
したがって予想時は「2・3コースの選手はスタート巧者か」「攻めるタイプか慎重派か」も重要な見極めとなります。
ここまで4要素を見てきました。
最終的な予想手順としては、まず(1)コース・場の癖で大局観を掴み、(2)選手実力と(3)モーター優劣で本命・対抗を選別、(4)展開予測で穴パターンを洗う、という流れが一例です。
「インが信頼できる条件か?」「誰が攻め手になりそうか?」「穴になるならどの艇?」と順序立てて考えることで、予想に筋道が通ります。
舟券の種類と買い方のコツ
競艇予想ができたら、次は実際に舟券(勝舟投票券)を購入します。
舟券にはいくつか種類があり、それぞれ的中難度と配当の特徴があります。
また的中率を追いすぎるとトリガミになるなど、買い方の工夫も大切です。
この章では主要な券種の特徴と、回収率を意識した買い方のポイントを解説します。
主要舟券の特徴と配当傾向
ボートレースの舟券は7種類あります(単勝・複勝も含めれば7ですが、広く買われるのは下記5種)。
それぞれの特徴をまとめます。
| 券種(舟券) | 的中条件 | 組み合わせ数 | 難易度(目安) | 配当の傾向 |
|---|---|---|---|---|
| 3連単 (三連単) |
1着-2着-3着を着順通り当てる | 120通り | ★★★★★ (最難) |
高配当狙い。 万舟券(100円→1万円超)も頻出。 平均配当数千円~数万円。 |
| 3連複 (三連複) |
1着〜3着の艇を順不同で当てる | 20通り | ★★★★☆ | 3連単の簡易版。 当たりやすいが配当は3連単の5分の1程度になることも。 |
| 2連単 (二連単) |
1着-2着を着順通り当てる | 30通り | ★★★☆☆ | 中配当。 人気決着だと数百円~千円台、 穴だと1万円超も。 |
| 2連複 (二連複) |
1着と2着の艇を順不同で当てる | 15通り | ★★☆☆☆ | 2連単より易しいが配当低め。 人気処で200円台も。 |
| 拡連複 (拡大2連複) |
指定した2艇が3着以内に入ればOK | 15通り | ★☆☆☆☆ (易しい) |
的中率高い分配当は低水準。 ほとんど100円台~数百円。 |
1:6艇立てレースの場合の全組み合わせ数。実際のオッズは売上配分と控除率によって決まります。
ご覧のように、3連単は圧倒的に当てるのが難しい反面、配当妙味も最大です。
「○-○-○」と着順までズバリ当てる必要があるため、初心者にはハードルが高いですが一撃のリターンは魅力でしょう。
実際ボートレースでも売上の多くは3連単が占めています。
一方、2連単や2連複は組み合わせが少なく当てやすいので、的中の喜びを味わいたい初心者には向いています。
ただし高配当は少なく、オッズ次第では「当たったのにマイナス」なんてことも起こり得ます(後述のトリガミです)。
券種の使い分けとしては、例えば「このレースは堅そう」と思えば2連単中心で手広く当てに行く、「荒れそう」と感じれば思い切って高配当の3連単で穴狙い…というように、レースの見立てで変えると良いでしょう。
また、資金配分も絡めて次のような買い方があります:
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フォーメーション:着順を固定せず複数艇を組み合わせて買う方法です。
例:「3連単 1着=1,2号艇固定 → 2着=1,2,3 → 3着=1,2,3,4」と指定すれば、合計2×3×4=24点購入となります。
軸を決めて流すので買い目漏れが減り、広く網を張れます。 -
ボックス:特定の艇を順位関係なくボックス買いする方法。
例えば「1-2-3ボックス」で3連単を買えば、1-2-3順不同の6通り(※3艇ボックス時)を全て買うことになります。
誰が1着でもその3艇で決まればOKなので安心感大。
ただし点数は増えがちなので高配当狙いレースで有効。 -
流し:「○○流し」と言えば、特定の艇を軸に他全通りを押さえること。
例えば「1号艇の3連単流し」なら1着=1号艇固定で2着3着は全通り(5×4=20点)など。
とにかく1号艇頭は堅いと読むなら有効です。
的中率と回収率:トリガミ防止の考え方
予想が当たっても、配当金より投下資金の方が多ければマイナスです。
これを競艇用語で「トリガミ」(取り紙)と呼びます。
複数買いをする際は常に回収率(払い戻し÷投資)を意識し、無駄な買い目を減らす工夫が必要です。
控除率(テラ銭)にも注意しましょう。
競艇の控除率は25%と公営競技の中ではやや高く、売上の4分の1が運営側に差し引かれます。
従って、プレイヤー側の期待回収率は平均75%です。
これを上回るには、不利な賭けを避けて精度を上げるしかありません。
必要オッズの計算:複数の組み合わせを買うとき、「全的中でも損しないために必要な最低オッズ」を計算しておきましょう。
簡単な指標として「購入点数=必要最低オッズ」です。
例えば100円ずつ10点買えば計1,000円投資なので、オッズ10倍以上の組み合わせが当たればプラス、10倍未満だとトリガミになります。
下表に例を示します。
| 購入点数(通り) | 100円購入の総投資額 | 必要オッズ(利益が出る目安) |
|---|---|---|
| 1点買い | 100円 | 1.1倍以上 (110円返ってくればプラス) |
| 5点買い | 500円 | 5倍以上 (最低でも5.0倍必要) |
| 10点買い | 1,000円 | 10倍以上 |
| 20点買い | 2,000円 | 20倍以上 |
| 36点買い | 3,600円 | 36倍以上 |
3連単の多点買いイメージ(6艇ボックス=120点はさすがに非現実的なので除外)。
このように、点数を増やせば当たりやすくなる代わりに必要オッズも跳ね上がることが分かります。
鉄板レースで紐荒れまで全部狙って20点以上も買うと、よほど高配当が来ない限り儲かりません。
したがって上手い人は自信のある目に絞って厚張りし、的中時の利益を確保します。
逆に「狙いを広げてもいいけど、その分配当妙味のある券種(例えば3連単)で」というように、的中率と配当のバランスを取ることが大切です。
購入パターンの例:
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イン信頼&人気サイド決着狙い:2連単や拡連複で点数を絞りつつ厚めに(利益は小さくとも的中優先)。
例えば「1-2、1-3」の2点に500円ずつなど。 -
穴含みの混戦狙い:3連単フォーメーションで中穴以上を手広く。
例えば「1着:4,5号艇→2着:1,4,5→3着:1,2,3,4,5」計24点買いなど。
ただしこの場合も低オッズ(例えば1-4-2など人気順)は最初から切ることで点数削減&トリガミ防止します。
資金配分という手もあります。
敢えてオッズの低い組み合わせは厚く、高配当狙いは薄く買うことで、どの目が来てもある程度均等な払い戻しになるよう調整できます。
ただこの調整は慣れが必要なので、初心者は無理に配分せず買い目カットで対応する方が良いでしょう。
最後に、勝負に出るか見送るかの判断も重要です。
「このレースは荒れそうだが絞れない…」「どう考えても安すぎて妙味がない」という場合、いっそ見送る(買わない)という選択も戦略です。
全レースに手を出さず、狙いを定めたレースだけ資金投下する方が長期的には資金効率が良くなります。
競艇予想Q&A(よくある質問と回答)
Q1. 競艇はやっぱり1号艇から買うのが基本ですか?
A1. はい、基本的には1号艇(インコース)中心で考えるのが定石です。
競艇は1コースが極めて有利な競技で、全国平均でも1号艇が1着になる確率は50〜55%に上ります。
特にSGや優勝戦ではエース級が1号艇に乗るためイン逃げ決着が多発します。
したがって予想も1号艇を軸に組み立てるのが基本です。
ただし例外として、インが苦手な選手やモーター不調の場合は波乱もあります。
その際はデータを見て「この1号艇は危ない」と判断できれば、あえて外す戦略も有効です。
Q2. モーター2連対率って何%から良いモーターと言えますか?
A2. 一概には言えませんが、だいたい「35〜40%以上」で優秀、20%台以下は低調と見る傾向があります。
平均的なモーターは2連対率25〜30%程度に収まります。
40%を超えてくると上位エンジンで、俗に「エースモーター」と呼ばれる存在です。
実際、エース機を引いた選手はシリーズリーダーになることも多いです。
逆に10〜15%台など極端に低い数字は不運なハズレ機の可能性があります。
ただし2連対率は使用される選手の腕にも左右されます。
強豪が乗り継いで高くなっている場合や、逆に弱い選手続きで低くなっている場合もあるため、
前節成績や展示気配も合わせ総合的に判断しましょう。
Q3. フライング(F)持ちの選手は買わない方がいいですか?
A3. F持ち選手は基本的にスタートで攻めづらくなるため、評価を下げることが多いです。
競艇ではフライング1本で即日帰郷+今後30日の斡旋停止、さらに2本目で年間終了級の重罰となります。
そのためF休み消化中の選手(F持ち)は「もう失敗できない」と慎重になり、
スタートが甘くなる傾向が顕著です。
特にF2(フライング2本持ち)はほぼ全速スタートできないと見てよいでしょう。
したがって予想ではマイナス材料になります。
ただし例外もあり、A1級のトップ選手はFを持っても上手にまとめてくることもあります。
また人気が落ちるぶんオッズ妙味が出るため、相手候補としてなら抑える価値があるケースもあります。
Q4. 荒れそうなレースか堅いレースかはどう見分けるの?
A4. メンバー構成と水面状況で判断します。
基本は「A級中心+イン有利な場=堅い」「B級多め+難水面=荒れる」と考えましょう。
具体的には、1号艇が実績十分のA級選手で他も力量差あるメンバーなら順当決着が見込まれます。
一方、級別に差がなく混戦、あるいは戸田・江戸川など
コース不利が起きやすい場+強風なら波乱含みです。
また直前情報も参考になります。
展示タイムで伸びが突出している選手がいれば波乱を起こすかもしれませんし、
スタート特訓の気配(展示リプレイ映像等で確認可能)でインが覗かれていたら怪しいなどです。
慣れてきたらオッズにも注目して下さい。
極端にオッズが割れている時はファンも難解と見ており荒れることが多いです。
Q5. 初心者にはどの舟券がおすすめですか?
A5. まずは2連複・2連単あたりから始めるのがおすすめです。
理由はシンプルで、当てやすいからです。
特に2連複(2艇を選んでその2艇がワンツーならOK)は組み合わせ15通りしかなく、
直感で選んでも6艇中2艇くらいは当たる可能性があります。
配当は低めですが的中経験を積むことで予想のコツも掴めます。
慣れてきたら3連複に挑戦し、最終的に3連単という流れが良いでしょう。
いきなり3連単で大穴狙いも夢がありますが、難しくて心が折れるかもしれません。
まずは少額でいいので的中させる体験をして、そこからステップアップするのが上達への近道です。
まとめ:データを武器に予想精度アップ!
競艇の予想は「運まかせ」ではなく、データと知識に裏打ちされた仮説を立てる作業です。
インコース有利という前提の中で、選手の力量差やモーター性能、水面状況といった多くの要素を考慮する必要があります。
本記事で紹介したように、
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公式の一次データ(コース別成績、選手勝率、モーター2連対率 等)を活用して客観的に有利不利を判断する
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イン逃げ鉄板なのか波乱含みなのか、レースの性質を見極めて舟券戦略を切り替える
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的中率と回収率のバランスに気を配り、無理のない点数・資金配分で投資する
といった点を実践すれば、予想精度も回収率も向上するでしょう。
最初は覚えることが多く感じられるかもしれませんが、レース観戦と予想を繰り返すうちにデータの意味が体感的に掴めてきます。
ぜひ今回のガイドを参考に、明日からのボートレース予想にデータ分析のエッセンスを取り入れてみてください。
最後になりますが、競艇は公営競技とはいえギャンブルです。
余裕資金で楽しむこと、またハマりすぎず勝っても負けても節度を持つことが大切です。
データを味方につけて、健全に的中の喜びと高配当を狙うスリルを堪能しましょう!















