今回紹介するのは、女子レーサーの中でも屈指の実力と人気を誇る東京支部の「倉持莉々」選手。
美しいフォームと鋭いスタートセンスで数々の好走を見せ、安定したイン戦と果敢なまくり差しが魅力のオールラウンダー選手である。
2023年には同じボートレーサーとの結婚を発表して大きな話題を集めた。
その後は第一子の出産と産休を経験し、現在は育児と競技を両立しながら再び女子の上位戦線で活躍している。
この記事では、倉持莉々選手の結婚についてはもちろん、これまでの経歴やレース成績・師匠なども詳しく紹介していく。
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目次
倉持莉々のプロフィール
| 名前 | 倉持莉々 |
|---|---|
| 誕生日 | 1993年10月1日 |
| 出身地・支部 | 茨城県/東京 |
| 身長・体重 | 167cm/49kg |
| 血液型 | O型 |
| 登録期 | 114期 |
| 登録番号 | 4825 |
| 級別 | A1級 |
倉持莉々選手は、茨城県出身で東京支部に所属する114期のボートレーサーだ。
同期にはSG覇者の羽野直也選手をはじめ、G1優勝経験を持つ村松修二選手やG2覇者の中村桃佳選手などがいる。
倉持莉々選手も実力者ぞろいの同期に負けじと成長を重ね、現在はA1級で活躍中だ。
2022年の期別成績では女子勝率トップ5に輝く偉業も成し遂げた。
そんな倉持莉々選手は、ボートレーサーになる以前に異色の経歴を歩んでいる。
まずは、学生時代から現在に至るまでの軌跡を詳しく見ていこう。
高校時代は水球の日本代表
倉持莉々選手は、学生時代に水球選手として輝かしい実績を残している。
幼稚園の頃から水泳を習い、小学4年生でシンクロナイズドスイミングを始めた。
水上競技に親しむ中、1歳年上の兄が取り組んでいた水球に魅力を感じ小学5年生で水球へ転向。
その後は着実に実力を伸ばし、中学時代には全国制覇を経験している。
中学校を卒業すると、スポーツ推薦で水球の強豪校である「秀明英光高等学校」へ進学した。
ただ、当時は男子水球部しかなかったため、倉持莉々選手は部員を7人集め学校初となる女子水球部の創設に尽力。
創部1年目にはJOCジュニアオリンピックカップで優勝し、左サイドのエースシューターとして優秀選手賞を受賞するなどの功績を残した。
オリンピックよりもボートレーサーへの夢
将来はオリンピックへの出場も期待されていたが、本人は以前から「水球を続けるのは高校まで」と決めていた。
というのも、幼い頃から競艇好きの父親にボートレーサーを勧められており、当時から将来の夢として意識していたためだ。
倉持莉々選手にとって、水球女子日本代表は学生時代に達成したい「目標」であり、ボートレーサーはその先に思い描く「夢」だった。
目標としていた日本代表入りを果たした後は、幼い頃からの夢を実現するため、高校在学中に養成所試験へ挑戦。
水球で日本代表に選ばれるほどの運動センスを持っていたこともあり、当時43倍だった養成所試験を一度で突破した。
こうして夢への第一歩を踏み出した倉持莉々選手だったが、養成所への入所直前に思いがけない試練が待ち受けていた。
111期合格後に直面した病との闘い
倉持莉々選手は、入所を約1週間後に控えたタイミングで「ホジキンリンパ腫」を患っていることが判明する。
ホジキンリンパ腫とは、白血球の一種であるリンパ球ががん化する悪性リンパ腫の1つだ。
倉持莉々選手は高校3年生の頃から、夜中に眠れないほどの腹痛や高熱、寝汗などの症状に悩まされていた。
さらに、右側の鎖骨付近には水着が触れるだけでも痛みを感じるしこりができていたという。
当初は日本では非常に珍しい病気だったため、正しい病名が分かるまでには約半年を要した。
大学病院で精密検査を受けた頃には肺や股関節にも転移しており、がんの進行度はステージ4。
すぐに治療を始める必要があったため、合格していた養成所への入所を断念した。
病を克服し競艇選手への夢を実現
闘病期間中は食事や身体を動かすことが難しくなるほどの副作用に苦しんだが、ボートレーサーになる夢を諦めることはなかったという。
治療開始から約1年後、倉持莉々選手は主治医から運動の許可を得られるまでに回復した。
長期にわたる闘病生活で筋力は大きく低下していたが、水球時代の監督に協力してもらいながら、テニスやジムで効率的に身体を鍛え直していったという。
その後、養成所試験を再受験して再び合格をつかみ取り、2013年4月に第114期生として念願の入所を果たした。
一度は病気によって閉ざされかけたボートレーサーへの道を、自らの力で再び切り開いたのである。
倉持莉々の師匠は81期の飯山泰
倉持莉々選手の師匠は同じ東京支部に所属する81期の飯山泰選手だ。
飯山泰選手は1997年にデビューし、2008年から2010年にかけて3年連続でG1優勝を達成した実力者である。
倉持莉々選手も尊敬するレーサーとして飯山泰選手の名前を挙げており、技術面だけでなく精神的にも心強い存在となっているようだ。
ただ、レース場で頻繁に会話するような師弟関係ではなく、普段はLINEでのやり取りが中心だという。
プロペラ調整に関する意見を交わし、分からないことがあれば飯山泰選手から助言を受けている。
また、飯山泰選手には126期の堀越雄貴選手も弟子入りしており、倉持莉々選手にとっては弟弟子にあたる。
ボートレース平和島の公式YouTubeでは、師弟3人が食事をしながら語り合う「師弟酒場」が公開された。
動画内では過去に一緒に走ったレースを振り返るほか、普段は聞けない本音や師弟間のエピソードも明かしている。
倉持莉々選手と堀越雄貴選手が遠慮なく言葉を交わす姿からは、先輩・後輩の垣根を越えた仲の良さがうかがえる。
レースやプロペラ調整について教え合うだけでなく、プライベートでも交流を続けるほど、師弟3人は良好な関係を築いているようだ。
倉持莉々のレース成績
病気を乗り越えて養成所へ入所し、2014年5月に念願のプロデビューを果たした倉持莉々選手。
初勝利や初優勝までには時間を要したものの、着実に実力を伸ばし今では女子の上位戦線で活躍している。
ここからは、倉持莉々選手のデビューから現在までの主な成績を時系列に沿って紹介する。
2014年5月にデビュー
倉持莉々選手は2014年5月24日の平和島1Rでプロデビューした。
引用:艇国DB
大外6コースから迎えた初戦はコンマ21のスタートを切り、4着でゴール。
レース後には「展示では緊張しましたが、本番はそうでもなかったです」と振り返り、初戦とは思えない精神面の強さを見せた。
さらに、道中での競りについても「絶対に負けないという気持ちでした」と語り、ルーキーとは思えぬ勝負への強い意識を示した。
無事故で完走することが精一杯になりやすい新人のデビュー戦で2艇を抜いた走りからは、当時から勝負に対する強い気持ちを持っていたことがうかがえる。
2022年に初優勝・SG初勝利
デビューから着実に経験を重ねてきた倉持莉々選手は、2022年に初優勝とSG初勝利を達成し大きな飛躍を遂げた。
その第一歩となったのが、1月19日に徳山で開催された一般戦「マンスリーBOATRACE杯争奪男女W優勝戦」である。
引用:ボートレース公式
3コースからコンマ01のトップスタートを決め、SG覇者の遠藤エミ選手と激しいトップ争いを繰り広げた。
1周目は遠藤エミ選手に先行を許したものの、2周1マークで内側を突いて逆転。
そのまま先頭を走り続け、デビューから約7年8か月で念願の初優勝を飾った。
さらに、同年5月24日には宮島で開催された「第49回ボートレースオールスター」でSG初出場を果たす。
引用:ボートレース公式
大会2日目の1Rでは1号艇からコンマ14のスタートを決め、イン逃げでSG初勝利を達成。
初優勝からわずか約4か月でSGの舞台でも結果を残し、女子の上位戦線へと駆け上がっていった。
倉持莉々が金子拓矢との結婚を発表
倉持莉々選手は2023年10月1日、自身のSNSを通じて金子拓矢選手との結婚を発表した。
金子拓矢選手は群馬支部に所属する95期のA1級ボートレーサー。
倉持莉々選手より10歳年上で、長年にわたって活躍を続けている実力者だ。
さらに、結婚発表とともに新たな命を授かり安定期に入ったことも報告。
2023年7月の全国ボートレース甲子園を最後に斡旋が途絶えていたが、結婚発表によって長期欠場の理由が妊娠だったと判明した。
2人の馴れ初めや交際期間は明かされていないものの、現在は夫婦で協力しながら育児と競技を両立している。
そんな2人の第一子の誕生や同じボートレーサーとして互いを刺激し合う夫婦関係について見ていこう。
2024年3月に第一子を出産
結婚と妊娠を発表してから約5か月後の2024年3月14日、倉持莉々選手は第一子となる男の子を出産した。
倉持莉々選手は自身のSNSで出産を報告し「予定日より遅れましたけど、元気に生まれてきてくれました」と喜びをつづっている。
旦那の金子拓矢選手も、ホワイトデー当日の誕生を「ホワイトデーのプレゼント」と表現した。
その後、倉持莉々選手はイベントや取材で子供について「鬼かわいいです」と話すなど、すっかり夢中になっている様子を見せている。
出産後は育児に取り組みながら復帰に向けてトレーニングを重ね、約7か月後には再びレースの舞台へ戻った。
夫婦であると同時に最大のライバル
倉持莉々選手と金子拓矢選手は、夫婦でありながら水面では互いに一歩も譲らない最大のライバルだ。
夫婦生活や育児に関してはお互いに協力し合って順風満帆な生活を送っているとのことだが、レースに関しては夫婦だからといって遠慮するつもりはないようだ。
というのも、YouTubeに公開された横西奏恵元選手との対談動画では、夫婦で同じレースを走る場合について「旦那がいても絶対にやっつけたい」と本音を明かした。
家庭では協力して子供を育てながら、水面では互いの活躍を刺激に高め合う関係を築いているようだ。
倉持莉々の復帰後の活躍
倉持莉々選手は2023年7月の全国ボートレース甲子園を最後に産休へ入り、約1年3か月にわたってレースを離れた。
妊娠や出産で引退する選手が多い中、倉持莉々選手は産後も変わらず女子レーサーの最前線で活躍中だ。
ここでは、倉持莉々選手が復帰後に挙げた3度の優勝を紹介していく。
2025年10月に復帰後初優勝
倉持莉々選手は2025年10月9日に戸田で開催されたG3「オールレディース・RB大宮アルディージャWOMENカップ」で、産休復帰後初優勝を飾った。
引用:ボートレース公式
予選から安定した走りを見せ、優勝戦には1号艇で出場。
コンマ09のトップスターとを決めると、1周1マークを先に回ってそのまま逃げ切った。
2着には高憧四季選手、3着には西橋奈未選手が入り、実力者を相手に堂々たる勝利を収めている。
倉持莉々選手にとって、2023年1月の常滑以来約2年9か月ぶりとなる通算4回目の優勝だ。
この時点で勝率は7点台に達しており、A1級への復帰も確実なものとなった。
2026年3月に多摩川初優勝
倉持莉々選手は2026年3月25日、多摩川で開催された「男女W優勝戦 第2回ファイティングボートガイド杯」で地元多摩川で初優勝を果たした。
引用:ボートレース公式
優勝戦には2号艇で出場し、2コースからコンマ19のスタートを決める。
1号艇の細川裕子選手とほぼ同体のスタートになると、1周1マークで内側を鋭く差して先頭へ浮上。
その後もリードを守り切り、前年10月の戸田に続く通算5回目の優勝を飾った。
多摩川は東京支部の選手にとって地元水面の1つだが、倉持莉々選手が多摩川で優勝するのはデビュー後初めてである。
産休前にも達成できなかった地元初優勝を手にし、A1級レーサーとして完全復活を印象づけた。
2026年7月30日に平和島初優勝
倉持莉々選手は2026年7月30日、平和島で開催された「マクール杯 ヴィーナスシリーズ第9戦」で平和島初優勝を果たした。
引用:ボートレース公式
優勝戦には2号艇で出場し、2コースから1号艇の西橋奈未選手を豪快にまくって先頭へ浮上。
そのまま後続を寄せ付けず、2着の三浦永理選手に差をつけてゴールした。
3月の多摩川に続く2026年2回目、通算6回目の優勝となった。
平和島は倉持莉々選手が2014年にプロデビューを果たした思い出の水面だが、過去2度の優出では優勝に届いていなかった。
デビューから約12年、3度目の優出で念願の平和島初優勝を成し遂げたのである。
倉持莉々の獲得賞金額
ボートレーサーの収入は、レースで獲得した賞金や各種手当によって決まる。
倉持莉々選手の収入について調査したところ、2018年以降の獲得賞金額が確認できた。
| 年 | 獲得賞金額 | 女子賞金ランキング |
|---|---|---|
| 2018年 | 約1,300万円 | 68位 |
| 2019年 | 約1,050万円 | 92位 |
| 2020年 | 約1,792万円 | 50位 |
| 2021年 | 約1,969万円 | 44位 |
| 2022年 | 約2,372万円 | 27位 |
| 2023年 | 約2,581万円 | 26位 |
| 2024年 | 約590万円 | 圏外 |
| 2025年 | 約2,249万円 | 57位 |
| 2026年 | 約2,071万円 | 17位 |
確認できた2018年から2026年8月1日までの獲得賞金額を合計すると、約1億5,000万円となる。
2024年は産休による長期欠場の影響で約590万円にとどまったものの、復帰初年度の2025年には約2,249万円まで回復。
さらに、2026年は上半期時点ですでに約2,071万円を獲得し、女子賞金ランキング17位につけている。
復帰後の優勝を重ねていることから、今後は自身最高額である2023年の約2,581万円を更新できるかにも注目したい。
倉持莉々のSNSアカウントはインスタのみ
倉持莉々選手が現在更新しているSNSはインスタのみである。
以前は「@r__rstagram」というアカウントを使用し、結婚や妊娠についても同アカウントで報告していた。
しかし、2025年7月ごろに第三者から乗っ取り被害を受けたため、現在は新しいアカウントへ移行している。
新しいインスタでは、優勝報告やレース場で撮影した写真などを投稿。
レース中には見られない倉持莉々選手の表情や、プライベートな一面を知りたいファンはチェックしてみるとよいだろう。
倉持莉々のまとめ
今回紹介した倉持莉々選手についてまとめると以下の通りになる。
- 高校時代は水球女子日本代表として活躍
- 養成所への入所直前にホジキンリンパ腫を発症
- 闘病を乗り越えて2014年5月にデビュー
- 師匠は81期の飯山泰選手
- 2022年に初優勝を達成
- 2023年に女子史上5人目となるSG優出
- 金子拓矢選手と結婚し2024年3月に第一子を出産
- 産休から復帰後も各地で優勝
- 確認できる生涯獲得賞金額は約1億5,000万円
倉持莉々選手は、養成所への入所直前に病気を患いながらも、懸命な治療を経てボートレーサーになる夢を叶えた。
デビュー後は着実に実力を伸ばし、2023年には女子史上5人目となるSG優出を達成している。
私生活では金子拓矢選手との結婚・出産を経験し、産休から復帰した後も各地で優勝を重ねてきた。
母親となっても第一線で走り続ける倉持莉々選手が、今後どのような活躍を見せるのか注目である。




















